今まで見てきた中で最も心が動きませんでした。
旧作も含めて見直す機会は何度だってありました。内容を熟知しているから楽しむことができなかったのでしょうか…いや、そうではありません。
- エヴァシリーズを初めて見たのは序で、このときはヤシマ作戦への熱量の上げ方にただただ圧倒された。
- 何年か経って改めて見たときには、登場人物の心情に同情した。
- またときを経て、シン・ゴジラを通してエヴァのフォーマットが好みであることを再確認できた。
責任を極力負いたくない今の自分、最低限の居場所があれば満足な今の自分を通して見ると、職責を全うするミサトさんは眩しいし、自分の場所が分からないシンジくんには時間が解決するよ、と冷淡な目で見てしまうのでした(そこでQの宿命を思い出してハッとするわけですが)。
物語は自分を写す鏡なのかもしれない。今の自分はこの作品群と向き合うだけの存在ではないのかもしれない。
シン・エヴァンゲリオン劇場版の公開まであまりに長い年月が経ったことを今更ながら痛感しました。序が公開から13年、Qでさえ8年経過しているのですね。私は新作にどのような態度で臨めばいいのだろうと劇場を出ながら迷ってしまいました。
でも考えたって仕方ない。今の自分にできることは、あるがままの気持ちで新作を見ることだけです。
心が動かなかった、といっても、やはり見る時間楽しくてはあっという間だったのだから。
そして、まっさらな気持ちで見ることができるのは時間が経ったことの特権だとも思えるのです。
更に思うのは、その時々で色々な感じ方をさせてくれる作品と出会えたことへの感謝です。
来週も再来週も劇場に行こう。
年が明けたら、旧劇場版も見に行こう。オープニングの企業クレジットだって楽しんでしまおう。
新作予告の東宝・東映・カラー三社配給の壮観を見ると、旧劇場版の始まるまでの長さを想起させられ、いよいよエヴァがやってきたなって感じがします。
2021年1月8日〜期間限定上映『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に』 – エヴァンゲリオン公式サイト
最後に。作品自体が完成されているので、個人的には4Dにさほど意義を感じませんでした。この感覚からも、私にとってエヴァは殿堂入りのような存在であると実感しました。