2時間全く退屈させないテンポの良さ。テンポの良さで無理に切り抜けているというわけではなく、内容も作り込まれている。普通に転んだらこうなるかな、と思わせておいて、その都度その想定を外していき、話を進めていく展開は見事。
個人的には遺産相続で全員集めるあたりに『犬神家の一族』の要素を感じました。遺産相続が争いのタネとなるのは古今東西そうなのですね。
Jホラー、ヒュンダイ自動車、囲碁といった東洋的な用語が盛り込んだり、アメリカ現代社会の分断を描きつつそれに翻弄されるキャラクターがメーンとなっていくことで、大富豪という一見すると遠い世界の争いのようでありながらも、本作に登場する人物像や争いは、現代だれにでもありふれたもののようにも感じられます。
作品自体に深いテーマ性があるというよりも、純粋に楽しんで気分よく家路につける作品になっています。